難しい慶應大学文学部の小論文。3段階の対策をプロオンライン家庭教師が分析!

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オンライン家庭教師「飛ぶ教室」の講師けんです。慶応大学の合格者を指導した経験もある私が、今回は慶應大学文学部の小論文について、傾向と対策を解説していきます!

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慶応大学文学部小論文の傾向

データから考える

データから小論文でどれくらい得点するべきか考えてみましょう。
慶応文学部の一般選抜入試は、【英語(150)・小論文(100)・世界史or日本史(100)】の3科目で、計350点満点

2022年度の文学部受験者平均点(合格者平均ではありません!)は、

  • 英語:73.95点
  • 日本史:57.86点
  • 世界史:54.48点
  • 小論文:55.59点

となっています。(慶応大学公表データより
日世を平均し、全体の受験者平均点は3科目で185.71点程度だと考えられますね。
2022年度の合格最低点は218点だったため、
(合格者最低点) − (受験者平均点)= 32.29点。
3科目で合計32点程度を受験者平均よりも稼ぐ必要があったということです。

ここで注意して欲しいのは、英語と歴史科目の採点方法は【絶対評価】 の部分が多い一方、小論文は【相対評価】 であるということです。

絶対評価ということは、配点が明確でマルかバツかではっきり採点でき、問題の難易度次第で平均点が大きく変動するということですね。
例えば英語は、過去数年間で受験者平均点が73.95点〜99.38点までブレがあります。 22年度の英語は平均点が低く、難化したと言えるでしょう。
英語ほどではないにせよ、世界史日本史も受験者平均が±10点ほど前後します。

一方で、小論文の受験者平均点は2012年度以降、53.19点〜58.54点の間に納まっています。

つまり、小論文は明確な採点基準がないため、平均点がこの程度の範囲に納まるように採点官が調整している=相対評価であるということがデータから分かります。

受験生の答案のどれかを基準にして、それと比較して優劣を決めるのが相対評価です。

絶対評価の英語・歴史科目は、その年度の問題が難しすぎても簡単すぎても差がつかないため、
英歴が難化易化した年は相対評価である小論文で安定的に得点することが合否を分ける のです。

英語が難化した22年度は、よほど英語が得意でない限り、他の科目で稼いで32点程度を平均より取れた受験生が合格したのではないでしょうか。

小論文の出題形式から考える

慶應文学部の小論文は、試験時間90分間で、設問が2つだけです。

設問は例年、

  1. この文章を300字以上360字以内で要約しなさい。
  2. 〇〇についてこの文章をふまえて、あなたの考えを320字以上400字以内で述べなさい。

という形式です。

設問Ⅰについて。課題文は6000字から7000字程度とかなりの長文なので、それを360字以内で要約するのは至難の技ですね。

要約の勉強法についてはこちらのページでも解説していますが、まずは1段落1文で要約する練習から始めた方が良いでしょう。

特に重要なのは2つめの「あなたの考え」を述べる設問Ⅱですね。
先程述べたとおり、小論文は「相対評価」で得点が決まるため、練習すればある程度できるようになる要約問題よりも、この自由論述問題で合否が決まってしまうでしょう。

逆に、

  • 自分の考えを普段から持っていること
  • 自分の考えをはっきりと言語化できること

の2点が満たせていれば、安定して他の受験生に差をつけられることは間違いありません。

小論文の出題内容から考える

過去数年で出題された課題文と、設問Ⅱのテーマを見てみましょう。
慶應文学部の問題作成者にとっては、設問を作るのは2秒でできるので、どんな文章を選定するかが一番の関心事であることは間違いありません。

  • 2022年度 荒谷大輔『使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか』
    「正しさ」について
  • 2021年度 川平敏文『徒然草――無常観を超えた魅力』
    「正解の出ない問題に取り組むことの意義」について
  • 2020年度 峯陽一『2100年の世界地図――アフラシアの時代』
    「集団に属するということ」について
  • 2019年度 中村高康『暴走する能力主義――教育と現代社会の病理』
    「能力」について

政治・歴史・芸術・社会・教育など、文学部で扱う幅広いテーマが出題されています。
が、その根本にあるのは、「そもそも」を問う哲学的思考だと言えます。
文学部に限らずですが、特に文学部、すべての大学の学問のゴールは「哲学」です。
慶應小論文は、大学入学後の学習に必要な力を直接問うている科目で、重要であることは間違いないですね。

次に、どうやって対策するか、3段階に分けて考えていきましょう。

慶応大学文学部小論文の対策3ステップ

①【ストック型】知識を蓄えておこう

「自分の考えを普段から持っていること」 が重要と先ほど述べましたが、それ以前に、読書を通して先人の主張や考察を知ることがなければ、魅力的な小論文は書けません
時間に余裕がある方は読書がベストです。

こちらの記事で解説した通り、読書で得られる知識は「ストック型」=時代を問わず通用する普遍的知識と、「フロー型」=時事問題についてなど、消費期限がある知識の2つに分けられます。

出題内容からわかる通り、慶応文学部の小論文は「ストック型」知識を蓄えていくことが重要で、逆に「フロー型」の時事ネタに関する知識はほとんど必要ありません。

つまり、新聞を沢山読んで、社説欄に目を通す勉強法は効果が薄いです。

逆に、(まともな)新書・一般の人文系書籍で扱われるような、普遍的に通用する知識を扱う本を読んでいくべきでしょう。

何から読めばいいか分からない方は、出題された課題文の書籍で気になるものから読んでみるのもいいと思います。

慶応大学は科目数が少ないので、小論文対策に割ける時間も多いです。
少なくとも月1冊。多ければ多いほどいいですが、読書をするべきですね。

また、多くの受験生が勘違いしているのですが、受験科目以外やらない人は合格可能性が低まります

特に難関大学の国語・小論文は、倫理政経の基礎知識がなければ、課題文の理解すら怪しい状態なので、学校の授業や参考書でしっかりと勉強してください。特に西洋哲学は概略を知るべきです。

逆に現代文の参考書や問題集はやっても大して意味がないです。慶應に特化していないものは、形式も文の量も全く違いますからね。

②一文要約から始めよう

読書で先人の考えを知ったら、要約をやりましょう。
要約が出来ない状態で、自分の意見を言語化することは困難です。

また、慶應レベルの要約をすぐに練習する人はかならず躓きます
6000字を360字に要約しようとしても、論理がおかしかったり要点がつかめないという事態になります。

まずは、課題文を1段落につき1文でまとめるくらいの圧縮率で要約するのがビギナーにとって適切です。

一文要約ができるようになってから、出来上がった要約文をさらに圧縮する、と、段階を踏んで要約練習をしましょう。

③「自分の意見」を持とうとしない

元も子もないですが、高校生程度の知識・経験で「自分の意見」を無理に持ってもろくなことになりません。
下手をすると、課題文があるのに、「自分の偏見」が優先して、課題文の論点を無視したことを書いて不合格になるリスクすらあります。

設問Ⅱでまずやるべきことは、課題文の主張をリストにするなど、整理することです。

これこそやってみないとつかめない感覚なのですが、課題文の著者や引用されている意見で、対立する部分を明確にすれば、論理的に考えれば自然と書くべき結論が見えてきます

自分の主観的な意見を書くのではなく、客観的に説得力を持たせた文章でなければ、慶應文学部では評価されないでしょう(もちろん、評価される大学もありますが)。

普段から、文章を読んで論点を整理し、考えをまとめる練習をしましょう。

設問Ⅱの、400字以内という規定もかなり少ないですね。
しかし普通の受験生は、内容が思いつかず規定字数が書けないことの方が多いです。

普段の勉強では、400字以上でよいので、なるべく多く書きましょう。
多く書いてから減らす方が、ぎっしり考えが詰まった良い文章になります

まとめ 「飛ぶ教室」でオンライン授業を受けよう

というわけで、対策を3段階に分けましたが、まとめると

  1. 【ストック型】知識を蓄える
  2. 一文要約から始める
  3. 「自分の意見」より客観性を重視する

いずれの段階でも方針を示して添削してくれる人に教わるのが最短で最適です。

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ではでは。

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