国際教養大学が難しい理由は東大以上の国語力が必要だから。合格戦略をオンライン家庭教師が解説

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「飛ぶ教室」オンライン家庭教師の東大卒プロ講師けんです。

国際教養大学は昨今人気上昇中で、就職率も非常に高いため、検討されている方も多いことと思います。
国際教養大学は巷でよく難しい、難易度の高い大学と言われますが、その理由は、入試制度と試験内容にあります。

その入試は一見英語力が最重要のように思えますが、国語力の方が実は大事だ ということが、制度と内容、さらに入学辞退率の変化を分析すると見えてきます。具体的に見ていきましょう。

国際教養大学が難しいのは「少数精鋭」の入試制度も一因

国際教養大学の合格者分析からわかること

国際教養大学は近年、東京大学に並ぶ偏差値を叩き出したり、難関公立というイメージが定着しつつあります。
学部は「国際教養学部」の1つだけで、22年度の合格者は1120人中たった232人。
推薦・総合型を除外した一般選抜では157人しか合格していません。(倍率5.4倍)。
とはいえ東京大学の倍率は3から4倍なので、倍率だけでは難しいとはいいきれないですね。

しかし国際教養大学は偏差値でも、2022年度・河合塾では67.5と、東大に並ぶ偏差値を誇っています。

偏差値は合格者の模試での得点率から導き出されています。
そして河合塾の模試はある程度一般的な受験勉強をこなせるかどうかが出来を左右しているので、
国際教養大学の合格者は下で見るような「答えのない問題」だけではなく、「普通の答えがある問題」にもかなり強いということがわかります。

偏差値だけでは判断できない「難しさ」

ただし、河合塾の偏差値だけで東大レベルだと一概に言うことはできません。
国際教養大学は、二次試験では国語・英語の2科目しか必要ではないのに対し、東京大学は5科目の試験が課されます。
ところが河合塾の偏差値は試験科目数を考慮しないので、正確には「国語・英語では東大レベルの成績が必要」ということになります。

また、東大受験では共通テストの得点は二次試験の4分の1の配点となり、共通テストが多少できなくても二次で挽回できますが、国際教養大学は二次よりも共通テストでの得点の方が評価されます。

  • A日程は共テ500点+二次200点
  • B日程は共テ300点+二次200点
  • C日程は共テ200点+二次200点

C日程に近づくほど、東大ほどではないですが、共通テストよりも二次試験の方が重視されるのが特徴です。

しかし、2022年度の受験生の共通テストの得点率は、

  • 国際教養A日程 80%
  • 国際教養B日程 88%
  • 国際教養C日程 98%

と、日程が下るにつれて得点率が異常に高くなります。
東大文系の共通テスト得点率は82%程度なので、B日程C日程では、東大生よりも「答えのある問題」も「答えのない問題」もできる受験生ではないと国際教養大学に合格できないのだと思います。

特殊な事情がなければ、外部英語能力試験も、面接もない、試験学力だけが評価される一般選抜で、かつA日程を目指すべきでしょう。

ちなみに、入試日程が他の国公立と被らないため、受験者の質が高くなるという説もあります。 


確かに2017年度など、入学辞退率40.6%と、以前は合格しても入らない受験生が多く、偏差値を吊り上げていた可能性はありますが、
秋田という場所でかつ全授業英語・留学義務ありなど、ある意味で入る人を選ぶので、都心の難関大学とそこまでかぶっているとは思えません。

東京外国語大学ともよく比較されますが、外大は言語への専門性を身につけるところ。国際教養大学は英語を使って国際的な能力を高めるところです。求められる人材が違うため、試験内容も随分違い、一概には比較できませんね。

ということで次に試験内容について見てみましょう。

国際教養大学の真の難しさは英語・国語小論文の「答えの無さ」

国際教養大学の入試は予備校などの画一的な受験指導ではまず対応不可能です。
二次試験で出題されるのは、英語・国語どちらも小論文のみ。しかも、受験にとらわれない背景知識と自分の意見がしっかりと無いと解けない問題です。

オンライン家庭教師「飛ぶ教室」 では、主体性を磨く指導方針のもと、英語・国語・小論文対応の指導を志望校過去問に特化しながら行っていますが、必要ならばこうした個別指導で学ぶのが最適です。
その上で、問題を分析してみましょう。

20年度以降英語小論文は中身重視に!

問題は1題だけで120分。600語程度の英文を読んだ上で、それを踏まえて自分の意見を自由論述する問題です。
特徴的なのは条件で、年度によりますが22年度A日程だと

  • 最低で300語
  • 最低4段落(導入・結論含む)
  • 問いに対し明確な解答を含めること
  • 自分の知識・経験から関連する実例を含むこと
  • 記載の文章から直接引用してはいけない

といった条件があり、また「内容・構成・語彙・文法」 が評価されるとあります。

ちなみにこれ、2019年以前は「文法・語彙・内容・構成」の順番で設問に書かれていました。
順序が変わったのはおそらく、20年度以降評価基準が「内容・構成」により重きを置くように変化したからですね。

2019年度までの英語本文も、ざっくり見ると800語程度が多かったですが、近年は600語前後で読解する課題文の量も大幅に減っています。

国際教養大学の英語試験は2020年度以降、読解・文法・語彙よりも、自分で中身のある文章を説得力をもたせて書く能力がより重視されるようになったことが、過去問の比較から分かります。

最低300語という条件は、いくら書いてもいいということなので、読解に時間を割かなくなった分、いかに長文で質の良い文章が作成できるかが合否を分けると言えます。これ、ほとんど国語力ですよね。

逆に、他大学向けの普通の文法・構文・読解中心の英語勉強は意味をなさなくなってきています。

このような出題傾向の変化の理由は、国際教養大学の合格者の辞退率に関係していると推測できます。

国際教養大学の辞退率の変化

1-(入学者数÷合格者数)で得られる国際教養大学の辞退率を公表データから計算した結果です。

  • 2017年度 40.6%
  • 2018年度 36.6%
  • 2019年度 34.8%
  • 2020年度 25.5%
  • 2021年度 26.1%
  • 2022年度 28.8%

2020年度以降は、30%台から20%台に、合格しても辞退する割合が大幅に減少していることがわかります。
つまり、入試問題を改革したことで、入学希望者を実際に合格させられる確率が向上したのですね。

明らかに英語入試は、他の大学との併願では太刀打ちできない傾向がより強まったため、入学意思が強く、長期間特化した対策を行った受験生が入りやすくなったのではないでしょうか。

※もちろん、20年度から併願しやすいB・C日程の定員を20人減らし、早期で併願がしにくいA日程を15名増やしたのも大きな理由です。

国語小論文は客観性重視

国語の出題傾向は大きな変化はなく、
60分以内に日本語の課題文を読み、最大600字で要約・批評を行う形式の問題が中心です。

主観的な記述も必要な英語試験と比較すると、なるべく簡潔にまとまっていて、(自分の経験よりも)客観的・論理的に説得力のある文章を書くことが国語試験では求められていますね。

小論文のテーマとしては、

  • 医療費の窓口負担について
  • データサイエンスについて
  • 歴史認識問題について

など、現代社会の幅広い問題が扱われています。
かならずしもグローバル課題だけではないですが、歴史認識など、高校ではタブー視されるようなことでも、国際関係上重要な課題についても普段から知見を深めていることが大事です。

英語も国語も、どちらも決まった正解はない問題なので、自分で手探りでも答えを模索する能動的な人が求められているわけですね。

結論 国語力の重要性

英語では差がつかない

国際教養大学を目指す人は、当然共通テストの英語では高得点を取ることが出来ます。

さらに二次試験でも、英語力というより国語の文章力がどちらの科目でも重要視されているので、難しい単語や構文を理解する、普通の英語受験勉強では太刀打ちできなくなっています。

国語で書けない長文が、英語で書けるはずがない。
つまり、国語力こそが国際教養大学での合否を分けるんですね。

ネイティブの先生に教わるのも一考の余地ありです。ネイティブであるというだけで英語教師になる方は、必ずしも文章構成力に優れていないことが考えられます。

しかも、一朝一夕では身につかないタイプの国語力であることは明らかなので、日頃から読書をしたり、自分の考えを言語化する訓練を積んでいくことが合格に直結します。

オンライン家庭教師で対策しよう

オンライン家庭教師「飛ぶ教室」では、英語・国語・小論文対策を充実させています。
もちろん普通の受験勉強の対策も行っていますが、それに加えて 「背景知識を活かした授業」「主体性を身につける指導スタイル」 が特色です。
つまり、国際教養大学受験生に最適だと言えますね。

例えば「何を読んだらいいかわからない」という人には、過去問に関連して読んで欲しい本をおすすめしたり、一人ひとりの好奇心を高める努力を徹底しています。

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ではでは。

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