夜散歩が長引いたので2本目の記事。
国語ができない理由として、理解力とか語彙力の不足がよく挙げられるが、短期記憶力のことを言う人は少ない。
しかし、指導していて、できない人にほぼ共通するのは短期記憶力の無さだ。
短期記憶力という言葉は無いかもしれないが、要は何ページか前に書いてあったことを後のページを読んでいるときに思い出す力のこと。
これが無い人は本当に無い。ひどい人は、1行前のことも、同じ文の最初に書いてあることすら忘れてしまうのである。これで文章を一連の流れ(文脈)で理解できるはずが無い。
まだ20代なのに老害臭いが、私の少年時代にスマホは身近になく、もちろんTikTokもなかった。
長編小説を読むこと。これによって皆この短期記憶力を身に着けている(いた)のではないか。
小説の醍醐味の一つが伏線である。冒頭の些細な記述が実は物語の鍵を握っていたことに気付いたときの感動は何事にも代えがたい。
ところが国語が苦手な人に、中編小説を読書課題として出したことがあるが、彼は何一つ伏線を理解していなかった。そもそも設定や登場人物すら曖昧であり、前半のできごとはほとんど覚えてすらいないのである。これでどうやって小説や映画を楽しむのだろう?
社会のことは私には分からないが、こういう人は急速に増えていくのではないか。5分で読める小説が流行り、Twitterが流行り、YouTubeショート、TikTokが流行っている。
短期記憶力など全くいらない、瞬間的に得られる快楽がいつも手元にあるのだから。
私が人の親であれば、18歳まではそういう類いのものから子供を遠ざけるだろう。
源氏物語を通読し終えた時のような、深い感動の味わえない人生を、子供に送らせたくないからだ。
↓こういう子に、育ってほしくないからだ。
家に着いたので終わります。
追記)この短期記憶力、全く鍛えられないというわけでなく、気を付けるポイントをちゃんと理解してもらえれば、伸びていく生徒も多いので、心配しすぎないでください。
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