「現代文の単語集はやるべきですか?」
大学受験国語の指導を行っているとよく聞かれる質問です。
結論から言うと、必ずしも必要ではないと思います。
例えば高校2年生など、まだ時間に余裕がある人は1周だけさらっと読んでみるなどの使い方は良いかもしれませんが、時間がない人はやらなくても十分合格できますし、時間がある方でも何周も繰り返すといったやり込みは不要だと考えられます。
私の個別指導でも、全く単語集を使わずに難関大学に合格される方がほとんどです。
以下、現代文キーワード集が必要ないと思われる理由を考察していきます。
現代文キーワード集は不要?
情報量としては不十分
例えば英語を初めて学ぶ場合、登場する語彙の80%程度は、頻出の数千語でカバーできます。
受験生が英単語帳を暗記すれば、大抵の文章を読むことができるのはこういった背景があるからです。
ただ、登場する英単語全てをカバーしようとすると、難易度が一気に上昇します。
それこそ何万語、何十万語といった語彙を身につける必要が出てくるわけです。
日本語でも同様です。現代文で登場する語彙は無数にあります。とても一冊の薄い参考書ではカバーしきれないですね。どれだけ単語集を暗記しても、知らない言葉は必ず出てきます。
現代文は暗記科目ではないですから、出題者が求めているのは難しい言葉を知っているかではなく、その単語の周囲などからどれくらい意味を推測できるか、と言うことです。
丸暗記に陥ってしまう
例えば「アイデンティティー」など、重要単語とされている現代文用語がありますが、その意味は筆者によって千差万別です。大まかなイメージを知るために単語帳を用いても良いかもしれませんが、丸暗記をしてしまうと応用が効きません。
文脈ごとに判断し、その場での意味を考える思考力が必要です。
問題演習の中で知っていけば十分
現代文で出てくる小難しい単語は無数にありますが、既に書いた通り、全てを暗記しておく必要は全くありません。
問題を解いていく中で、知らない単語に出会うたびに辞書を引いてみたり、先生に聞いてみることがとても大切です。本当に重要な単語は、いろいろな文章を読んでいくうちに何度も顔を出しますから、自然と覚えることができます。
生きた文章・文脈で登場する単語の方が、単調な暗記よりも何倍も身に付きやすいです。
退屈
不要だと思うのは、この理由が一番大きいです。現代文キーワード集って、一部の特殊な方を除いて、とてもつまらないんですよね。
本来とても面白い科目であるはずの国語が、とてもつまらなく感じてしまう危険があります。
現代文は暗記科目ではありません。楽しく勉強するのが一番結果にもつながります。
まとめ
以上、私が現代文キーワード集が不要だと考えている理由をお伝えしました。
ご使用されるかどうかはご自身の選択で決めていただければ幸いですが、使われる場合も、問題演習と並行して取り組まれることをお勧めします。まずは過去問に数年分目を通してから取り組んでください。
大学ごとに現代文の傾向は大きく違うため、登場する語彙も変わってきます。せっかく単語を覚えても、志望校では全く不要だったら、その時間は無駄になってしまいますからね。
勉強頑張ってください。
ではでは。
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